Gift your time TALKSHOW vol.2

2012.11.11
2012年11月10日から18日まで、表参道BLOCK HOUSEにて行われた展示会『Gift your time X’MAS COLLECTION』。その開催を記念して、11月10日 (土)11(日)に豪華ゲストを迎えて行われたトークショーの模様をお送りします。

2日目のゲストは、千駄ヶ谷のインテリアショップ「プレイマウンテン」や広尾のキッズセレクトショップ「CHIGO」を展開するランドスケーププロダクツ代表の中原慎一郎さん、「Discover Japan」や「北欧スタイル」の編集長を務める高橋俊宏さん。司会はトークのイチローこと東京ピストルの草彅洋平さんです。Gift your timeを運営するタイムカンパニー代表の篠田もスピーカーとして参加し、「ものづくりがもっと身近になったら」をテーマに1時間に渡るトークショーを行いました。


Vol.2「ものづくりがもっと身近になったら」
司会
草彅洋平(東京ピストル代表)

スピーカー
中原慎一郎さん(ランドスケーププロダクツ代表)
高橋俊宏さん(『Discover Japan』編集長)
篠田哲郎(タイムカンパニー代表)
「日本のイイもの」に着目しよう、という流れ
− 今日お呼びした、中原さん高橋さんは、作家さんとつながって、なにかしらにアプローチしていくというところに重点を置かれている方だと思います。まず中原さん。中原さんは、鹿児島を重点的に活動されていますが、それは出身地だからですかね?

中原:そうですね。ですが、もともと作り手さんとのネットワークなんてなかったですし、鹿児島の作家さんも作家さんで、売り込むっていうのがあまりない上に、東京とかに商品を卸したり県外に出ることがなかったそうなのですが、6年前に鹿児島に帰ってお店をつくったら作り手の人が集まってくれて、だんだんコミュニティができてきました。面白いものがあったら売ってみたり、イベントなどをやりはじめたのがきっかけだったんです。

− 高橋さんは、『リアルデザイン』というエイ出版の雑誌を手がけて、そのあと、『Discover Japan』を立ち上げたんですよね。

高橋:はい、6年前に着想し、MOOKとして出たのが5年前ですね。9年前の北欧ブームのときには『北欧スタイル』も手がけました。

中原:一緒に鹿児島に行ってもらった時、同じ顔しながら、違う媒体の取材をしていたのが印象的で。「今はなんのモード(取材)ですか?」なんて話しながら(笑)

高橋:そうですね。でも今はだいぶ「日本モード」ですよ(笑)

− 『Discover Japan』の流れって、編集者目線でみて面白いなと思ったんですよ。IDÉE的な2000年ごろのデザインブームがあって、そのあと、CIBONEみたいなオランダコンセプションが出てきた。その後「ひみつの県民ショー」的な“県”が出てくると日本って面白いよね、みたいになったタイミングで『Discover Japan』が出た。

高橋:やっぱりデザインからきているんですよ。さきほども言ったデザインの本が出て、「日本のイイもの」に着目しようよ、という流れが出てきたんですね。例えば、器だったりとか、伝統工芸系のたとえばうちわだったりとか。『北欧スタイル』でいろいろなインテリアショップをまわっていて、日本のものの品数が増えてきたなと思ったんです。これはチャンスかなと思いました。

ぼくは岡山の出身で、工芸だと備前焼や刀が有名です。北欧のものをやっていて、そろそろぼくの好きな日本を打ち出していいかな、という時期でした。中原さんも民芸ブームの火付け役だと思うんですけど、その中原さんが鹿児島のものをどんどん紹介しはじめた時期と、若干かぶってくると思うんですよね。

北欧のデザイン見てきたぼくが、『Discover Japan』をはじめた理由についてよく聞かれるんですけど、実は、『北欧スタイル』でよく北欧デザインの巨匠のご自宅を取材することがあったんです。それこそ、ヴェルナー(ヴェルナー・パントン)とか、モーエンセン(ボーエ・モーエンセン)とか。

ヴェルナーのご自宅におじゃましたときに、ヴェルナー自身はもう亡くなっていますけど、奥さまが元気でいらっしゃって、そのときに言われたんですよ。「何しにきたの?」って。で、「デザインの本をつくっていて北欧のデザインを紹介するために来ました」って言ったら、「日本にもあんなにいいものいっぱいあるじゃない!」って言われたんです。「デザインもいいものがたくさんあるし、見てご覧なさい」って言ったその先には、ヴェルナーの家の壁面に、下駄がきれいにディスプレイされて並んでいるんですよ。蓑を飾っていたりだとか。

あと、モーエンセンの会談室の照明は、ぼんぼりです。日の丸が入ったぼんぼりが飾ってありました。そこではたと気づくわけですね。なるほどなぁって。今のデザインの原点であるミッドセンチェリーの作家さんたちは、日本のものに影響を受けていた。でもぼくたちは色めきたって、「北欧ブームだ!」と言っていた。実は北欧デザインは日本から影響を受けていたという(笑)。

われわれは日本人だから、日本の良いものをもう一度見直そうということで、『Discover Japan』を創ったんですね。だから、ぼくは、当初から“日本のデザインの本をつくる”という意識でいます。

− 中原さんは、鹿児島を盛り上げたいという気持ちからはじめたんですか?

中原:あんまりそういう気持ちではなくて、もともと(実家が経営している)工場が鹿児島にあったというのも理由にあったのですが、鹿児島に帰る機会にうちの工場の人たちと長時間しゃべることも多くて、そのたびに、鹿児島の面白いところや作家についてを聞けたりして、それで、実際に行ってみたり、会いにいったりするうちに、では、ちゃんとお店をつくろうとなったわけです。

高橋:なぜ鹿児島には、優れたデザインが作れる作家さんが集まるのでしょうか?

中原:いや、そうでもないですよ。益子の陶器市とか行くと、何百組も出店するじゃないですか。鹿児島でやっても数十組しか出ないだろうし。
薩摩藩だったとき、ディレクター(殿様)がいたから、ちゃんとディレクションされたものをつくっていくのが得意だったんだけど、自由にものづくりしていい、となってからの、ものづくりではっとするものが少なかくなってしまったんじゃないかなと思います。

篠田:ぼくは、静岡です。大学で上京しました。武蔵野美術大学の出身で、周りの作家さんたちがすごくいいものを作っていて、一般の人たちにどうしたら気づいてもらえるかと思ったところがサービスをはじめたきっかけでした。

− ぼくは東京出身なんですけど、東京モンから見たらすごくうらやましいというか、今地方がすごく楽しいのがわかっていて、やっぱり東京だとめちゃくちゃ家賃高いですし、なんかハッピーになれない感じするんですよね。忙しくて。そんなに地方の人がのんびりしているわけじゃないと思うんですけど、ゆるくものを作っている感じがしていて、うらやましくなります。

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